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フォルケホイスコーレとは・意味

フォルケホイスコーレ

フォルケホイスコーレとは?

フォルケホイスコーレ(Folkehøjskole)とは、17.5歳以上(*1)であれば誰でも学べる全寮制の学校のこと。デンマークを発祥として北欧に広がっている。現地語では「ホイスコーレ」「ホイスコーレン」と呼ばれることが多い。

デンマークには約70校あり、学校によって特色はあるが、対話を中心とした授業を行うことや、生徒が主体となって学ぶことなどが共通している。入学資格やテストはなく、年齢、国籍、学歴を問わず誰でも入学できる。そして、成績評価がなく、単位も学位も与えられないという独自の制度を持つ。

フォルケホイスコーレの特徴をまとめると、下記の5つである。

  1. 入学試験、資格がない
  2. 成績の評価はされない
  3. 単位や学位は与えられない
  4. 校舎の中、あるいは校舎から近い宿舎で共同生活をする
  5. 対話、民主主義教育をする

授業の合間には、教員と生徒が食事をともにし、立場やバックグラウンドの違いも関係なく対話する。片付けや掃除なども自分たちで分担して行うところが多い。

学校のなかには、たとえば以下のようなものがある。

  • Brandbjerg Højskoleデザイン思考やプロジェクトマネージメント、働き方などが学べる。
  • Egmont Højskolen:福祉を学べるホイスコーレ。障がい者と健常者が共に授業を受け、助け合いながら生活する
  • Højskolen Marielyst:シニア向けホイスコーレ。エクササイズ、手工芸、文学など、さまざまなシニア向けの科目が用意されている。
  • Krogerup Højskole:政治とクリエイティビティが学べるホイスコーレ。留学生向けに、「Crossing Borders」という英語のコースあり。
  • International People’s College(IPC):授業がすべて英語で行われる。多国籍でインターナショナルな雰囲気。

ほかにも、演劇やスポーツなどの分野に特化した学校もある。10代の学生から社会人、高齢者まで、さまざまな世代が生徒となって学び、それぞれが納得するまで自身の知的好奇心を追求するのだ。

*1 16歳から入学できるユースホイスコーレや、高齢者限定のホイスコーレプログラムもあるため、入学できる年齢は学校による

フォルケホイスコーレは何のためにある?

フォルケホイスコーレ
「民衆の(フォルケ)高等学校(ホイスコーレ)」という名前の通り、フォルケホイスコーレはもともと、教育格差の激しかった1800年代前半のデンマークで「すべての人に教育を」というコンセプトのもと生まれたものだ。デンマークの教育の父、NFS・グルントヴィが理念を提唱し、同じくデンマークのクリステン・コルが実際には創始した。コルは、デンマークのオルタナティブ教育の創始者でもある。

1844年にデンマークの南部に創設された最初のフォルケホイスコーレでは、冬の11月から3月にかけて授業が行われた。対象者は地方部に住む農民などアカデミックな教育を受けられない人々で、彼らは冬以外の季節は農作業をしていたからだ。はじめは男性の参加者のみだったが、徐々に女性の参加も認められるように。

フォルケホイスコーレは、デンマークの国民意識、そして民主主義教育に大きく寄与したと言われている。それが今、デンマークの「幸福度ランキング」の好成績もあいまって、日本でも注目されているのだ。フォルケホイスコーレは、民主主義を育てる場であると同時に、すべての人が学べる「生涯学習」の体験の場でもある。




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