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デザイン思考とは・意味

デザイン思考とは?

顧客のニーズを観察したうえで仮説を立て、プロトタイプを作成し、実際に何度もユーザーテストを行いながら新たな商品やサービスを作り出す過程のこと。デザイン・シンキングとも呼ばれる。

ビジネスにおいて、市場調査などのロジカルシンキングだけでは欠けがちな「自由な発想」や「イノベーション」といった部分を補完する、デザイナー的な「アイデアを具現化する」方法である。

デザイン思考に必要な3つの考え方

1. 常にユーザーが中心

新規事業を立ち上げるとき、新たなサービスを作り出すとき、重視すべきは自分たちの売上や利益といったメリットばかりではない。顧客となる新規ユーザーが何に悩んでいて、何を求めているのかを知ることだ。実際にユーザーにヒアリングするなどして、ユーザーの視点に立ち、悩みの原因を解決するようなサービスは何か、とさまざまな仮説を立てる。

継続的に利益を出せるビジネスの観点はもちろん、そこにユーザーの視点が加わることで、社会にとって価値のあるサービスを生み出すことができる。

2. 早い段階で仮説を検証する

ユーザー視点で仮説を立てたら、サービスの試作品・プロトタイプの作成に移る。

はじめから完璧なバージョンを作る必要はない。ユーザーこそがサービスの利用者であり、ユーザーの声なしでは成り立たないからだ。そのために、作りながらでも社内でフィードバックをし、ユーザーにも実際にプロトタイプを使ってもらいながら、足りない部分の補足などの改善を繰り返す。そうしてユーザビリティの高いサービスを目指していくのだ。

途中でアイデアが大きく変わることもあるため、初期の仮説を固めすぎない柔軟性も大切である。だからこそ、仮説を早い段階で不完全でも形にし、検証していくのだ。

3. コミュニケーションを重視

イノベーションを完成させるためには、さまざまなチームメンバーでの協働が非常に大切だ。技術だけではなく、顧客の行動や心理、経営やマーケティングといった異なる専門性を持つ人材がいることで、新たな視点やアイデアが生まれるきっかけとなることもある。

そのため、チーム間でよくよく話し合う必要があるのだ。アウトプットのクオリティは、他人とのコミュニケーション量に比例するし、フラットに議論できる環境に身をおくことで、多くのフィードバックももらえる。

イノベーションを生み出すこの思考は、さまざまな種類のビジネスにおいても根付いてきている。すでに当たり前のように上記のような仮説の検証を行っている企業もあるだろう。

デザイン思考の課題点

広く活用されるようになったデザイン思考だが、現実社会における導入においては、いくつかの課題点も指摘されている。

その一つが、思考のパッケージ化により短絡的なアイデアが創出されやすい点だ。前述のようにデザイン思考においては、ある程度の手順が定められており、それに従うことで「誰でもデザイナーになれる」という理解が促進された。

これは企業や個人にとって導入のハードルを下げた一方で、議論の結果が机上の空論に留まりやすいという現象にもつながっている。アイデアから実装に移るための、現実社会の課題の複雑さや法的制限などを十分に反映できていないからだ。

また、課題をめぐるコミュニティや歴史的な背景が考慮されず課題単体が切り取られていること、そして短期的に成果が出るものという前提に立つ事例が多いことなども、デザイン思考の“欠陥”として指摘されている。

【参照サイト】世界を変えるはずだった「デザイン思考」とは何だったのか?|MITテクノロジーレビュー
【参照サイト】デザイン思考は期待外れだったのか|SSIR-J

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