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ファストファッションとは・意味

ファストファッション

ファストファッションとは?

ファストファッションとは、流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品を大量生産し、短いサイクルで販売するファッションブランドやその業態のことを指す。安くて早い「ファストフード」になぞらえた造語であり、2000年代半ば頃から呼ばれるようになった。日本ではファストファッションという言葉が2009年新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれるなど、広く普及したが、のちにその問題点についても指摘されるようになった。

ファストファッションの問題点

ファストファッションの問題点は、大きく分けると労働環境や労働搾取といった社会面と、製造過程での環境汚染や大量廃棄といった、環境面のふたつに分けることができる。

1.社会面

ファストファッションの問題点が注目されるきっかけのひとつとなったのがラナ・プラザ崩落事故である。ラナ・プラザは、バングラデシュの首都ダッカ近郊に存在した8階建ての商業ビルで、2013年4月24日の崩落事故で死者1,127人、行方不明者約500人、負傷者2,500人以上を出す大惨事となった。このビルの中には、ファストファッションの縫製工場も多く入居しており、この事故で犠牲になった人の多くは、その工場で働いていた若い女性たちであったことから、ファッション史上最悪の事故とも呼ばれている。

ラナ・プラザの事故は、アパレル業界がより低価格でより大量に生産することを追求した結果、現場の労働者の劣悪な労働条件を生み出していたことが原因であり、そののちアパレル業界の方針転換のきっかけとなった。

2.環境面

ファストファッションの問題として労働条件のほかにも度々挙げられるのが、環境負荷の問題である。ファストファッションブランドの衣服は大量生産・大量消費の仕組みを助長しており、また長持ちしないためすぐに捨てられてしまう。繊維の60%以上が化石燃料に由来する合成繊維であるため、衣類が最終的に埋め立て処分された場合は、生分解されない。

大量廃棄の問題は、消費される地域だけではなく発展途上国にも影響する。例えば、西側諸国から多くの古着が寄付やリサイクルで西アフリカに送られているが、低品質のファストファッションの衣服は買い手がつかず、埋め立て処分場へ送られていくという。そして埋立地から海へと流れ込み、海洋汚染を引き起こす。西側諸国では15年と比べて衣服の購入が60%増加しており、廃棄される衣服は世界中で環境問題を引き起こしている。

ファストファッションのこれから

上記のように、先進国で大量消費されるファストファッションは、製造地での劣悪な労働条件や、廃棄地での環境問題を起こしているとして、ときに批判されてきた。

一方で、ファストファッションブランドの一部は、これらの問題を認識し、対応を始めている。例えばH&Mでは、衣類回収プログラムの開始や、「2030年までにサステナブル素材の利用を100%にする」といった目標を掲げるなど、積極的な対応を推進している。

サステナビリティを日常へ。H&Mが目指す新しいファッションの形

サステナブルな社会の構築に向けて、一般消費者の購買習慣にも変化が見られる今日において、ファッションブランドに対してサステナビリティや環境問題への言及および行動の実行を求める動きが高まっているという。特にZ世代は、サステナブルな企業やブランドの動きに注意を払って、意思のある購買を心掛けているといわれる。

このようななか、ファストファッションブランドがサステナビリティへの対応を強化させていくことは、不可避であるといえよう。

【参照サイト】New York Times「How Fast Fashion Is Destroying the Planet」
【参照サイト】BBC「ファストファッションの末路……不必要になった衣服の埋め立て地」
【参照サイト】H&M「How Ethical Is H&M?」
【参照サイト】WWD「ファストファッション」を改めて考える 国連の気候変動に関する報告書を受けて検索増加

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