Browse By

コンポスト(堆肥化)とは・意味

コンポスト

Image via shutterstock

コンポスト(堆肥化)とは?

微生物の力で生ごみや落ち葉などの有機物を分解・発酵させ、有機肥料をつくること。

コンポストが注目される背景

かつては人と自然が共生する循環型の生活が主流であったが、都市化が進んで人口が増え、化学肥料や農薬をつかった農業が普及。ごみは多様化し、まとめて焼却処理されるようになった。一方で、市町村でコンポスト事業が始まり、ここ20年ほどは循環型社会への取り組みとして注目され、各地に広がっている。

また、気候変動など環境問題への意識の高まりからはもちろん、コロナ禍で家庭菜園を始めた人も多いと言われている。家庭からごみが減るだけでなく、できた堆肥で野菜を育てることが楽しみになったり、ストレス解消につながったりすることもあるコンポストは、地域だけでなく、地球の健康にも貢献できる取り組みとして注目されている。

コンポストの種類とやり方

コンポストは、容器や設置場所、分解に使う資材や生物によって方法や種類も様々。一般的に家庭に取り入れやすいものとしては、以下のようなコンポストがある。

  • 段ボールコンポスト

  • ダンボールに資材を入れ、生ごみを投入してよくかき混ぜるだけのもの。発酵が遅くなったと感じたら生ごみの投入をやめ、定期的に基材をかき混ぜながら3週間ほど熟成させる。必要な材料も安価で、作り方が簡単。ダンボールは庭やベランダに置き、2~6か月ごとの交換が必要。

  • プランターコンポスト

  • プランターと土とショベルで簡単にできるもの。プランターの中に土を入れておくだけなので、庭がある人は庭の土を、ない人はホームセンターや100円ショップで売られている腐葉土や黒土を入れるのが良い。他には、生ごみを一時的に保管しておくための容器があると便利。

  • 設置型コンポスト

  • 庭の土を掘り、コンポスター下の部分を埋めるタイプのもの。上にはふたがついており、生ごみのほか、庭の落ち葉や雑草なども入れることが可能。いっぱいになったら、生ごみの投入をやめ、定期的に空気と触れる用に基材をかき混ぜながら2~3か月熟成させる。

  • バケツコンポスト

  • バケツに新聞紙を敷き、土と生ごみを交互に投入してよくかき混ぜ、いっぱいになるまで重ねていくもの。プラスチックの蓋をして密閉すれば嫌気性発酵に、古い布やバスタオルなどで蓋をすれば風が通り好気性発酵になる。好気性発酵の方が、臭いが気にならず過程で行うのに良い。

  • 密閉型コンポスト

  • 密閉した容器に生ごみとぼかし(米ぬかや市販の発酵促進剤など)を入れて、ごみを発酵させるもの。生ごみは分解されないため、土に移して1か月ほど分解させる必要がある。嫌気性のタイプであるため強い発酵臭を悪臭と感じる人も多く、マンションでは注意が必要になる。

  • バイオ式電動生ごみ処理機

  • 電気を使って、温風で生ごみを乾燥させて堆肥化させるものや、自動で回転させ酸素を効率よく供給するタイプなどがある。室内に設置できて手軽な一方、機材代や電気代がかかり、室内で音がするという問題もある。

  • ミミズコンポスト

  • ミミズと基材を入れた容器に生ごみを投入し、ミミズが生ごみを食べて分解してくれるコンポストです。ミミズコンポスト専用の資材なども販売されている。

    など……

    コンポストのコツ

    やることが多く、面倒くさいイメージも持たれるコンポストだが、少し工夫するだけで、長く、楽しく続けることができる。

    設置場所を選ぶ

    コンポストの設置で重要ポイントは、日当たり、水はけ、風通しのよい場所に置くこと。そうすることで、ごみの分解が早く進む。ただ、夏に直射日光が当たりすぎると暑さで微生物が死んでしまうので、夏はシートなどをかぶせておくのもよい。

    また、数日に1回コンポストに生ごみを持って行くことを考えると、キッチンからのアクセスの良さも大切だ。「屋外に出すと鳥や虫が来そうで嫌だな…」「台所から庭、ベランダが遠いので不便」といった理由から、屋内に設置する人もいる。例えば、「自然にカエルS」や「EMバケツ」などのキッチンに置けるタイプを選ぶのもひとつの手だろう。

    コンポストを持って行く時の負担感は続ける際の大きな障壁になるので、楽に続けられる設置場所を選ぼう。

    ごみの分解スピードを知る

    コンポストは自然の力でごみを分解する仕組みだが、生ごみによって分解されやすいものとされにくいものとがあり、当然分解のスピードも異なってくる。中には、コンポストで分解されないごみもあり、それらを入れてしまうと、ごみの分解を妨げ臭いやカビの原因にもなる。コンポストを快適に使用するためには、入れて良いのものと入れてはいけないものを把握しておくことが大切だ。

    ここでは、ウェブサイトでのリサーチ結果とこれまでの経験から、分解が早いもの、分解に時間がかかるもの、分解しないものをお伝えする。

    分解が早いもの:
    ネギ以外の野菜全般、肉(骨は除く)、てんぷら油などの廃油(入れると分解が進む)、味噌汁などの残り汁、カレー、マヨネーズ、ご飯、魚の内蔵(さばいた後に出るもの)

    分解に時間がかかるもの:
    野菜の芯(細かく切ると良い)、豆類の殻(枝豆、そら豆など)、柑橘類、魚の頭や骨、卵の殻(時間がかかる)

    分解しないもの:
    タマネギの皮、貝殻、筍の皮、トウモロコシの芯、アボカドや梅干しの種、動物の肉の骨

    臭い・虫対策

    「コンポスト=生ごみ」ということは、臭くなったり、虫がわいたりするのでは……と不安に思う方も多いかもしれない。だが、下記の注意事項さえ守り、しっかりと対策をとっておけば、臭いや虫に悩まされることはない。

    ①生ごみを入れ過ぎないこと
    ②土をしっかりかぶせておくこと

    また、カラスなどが集まり、近所迷惑になるのでは……という心配もあるかもしれない。鳥や動物の対策も、基本は食べ物が見えないようにしっかり土に埋めることで回避できる。その上で、容器にふたをする、ネットをかけるなど、必要に応じた対策を行うと良い。

    コンポストをすることのメリット

    自分自身へのメリット

  • 生ごみを捨てる手間がなくなる
  • 廃棄物を削減することができる
  • 生ごみを捨てるときに使うビニール袋の購入が不要になる
  • 栄養豊富な堆肥を低コストで自作することができる
  • できた堆肥は家庭菜園や花の栽培に活用できる
  • 堆肥でできた野菜や果物はおいしく、安心して食べられる
  • ごみが減ることから、ごみ袋代を節約できる

    社会・地球へのメリット

  • ごみが減り、自治体が焼却処分するための手間や燃料、費用が減る
  • ごみの焼却が減るため、処理につかう二酸化炭素の排出量が削減される
  • 堆肥を学校や農家など地域に還元することで地域のつながりが生まれる

    まとめ

    このようにコンポストを行うことにさまざまなメリットがある一方で、なかなか長続きしない場合も少なくない。特に、マンションのベランダなどの限られた場所に設置している場合は、堆肥が増えすぎて入れる場所がなくなったり、できた堆肥の使い道がなかったりという課題もある。

    今回ご紹介したさまざまな種類のコンポストの他にも、都心でも気軽に取り組めるバック型のコンポストなどもあるので、自分に合ったコンポストを見つけて初めてみるのはいかがだろうか。

    【関連記事】【コンポスト〜実践】ここがポイント!コンポストで失敗しないために押さえるべき5つの注意点
    【関連記事】【コンポスト~実践編】食育にも役立つ、プランターコンポストで野菜作りに挑戦!
    【参照サイト】LFCコンポスト コンポストとは

    コンポストに関連する記事の一覧




    用語の一覧

    あ行
    か行
    さ行
    た行
    な行
    は行

    ま行
    や行
    ら行
    わ行
    A
    B
    C
    D
    E
    F
    G
    H
    I
    J
    L
    M
    N
    O
    P
    Q
    R
    S
    T
    V
    W
    X
    数字

    FacebookTwitter